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Inagaki Design Works News

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ジュジュランプシェードについて

先月、東京メトロのフリーペーパー「メトロミニッツ」にランプシェード「ジュジュ」を
掲載して頂きましてから、ジュジュのご注文を関東近郊のお客様から頂いております。
折角の機会ですので、ジュジュを含めたランプシェードの製作経緯についてご紹介したいと思います。

以前から照明のデザインをしてみたいと思っていた私は知人の紹介で
Mさんという女性と知り合いになりました。
そのMさんからのご紹介で八女市にあります提灯工場に
提灯の技術を使用したランプシェードのデザイン案をいくつか提案することになりました。
より分かりやす様に、図面以外にも実際の大きさの試作品も作って持参しましたが
前向きな手応えを得ることができませんでした。

Mさんと私はこちらの会社での商品化は無理だと感じましたが、
このままあきらめることはできませんでした。
そこでMさんが八女市の商工会に問い合わせをしまして、
提灯の技術を使用した商品開発を行いたいのですが協力して頂けそうな会社はありませんか?
と訪ねたところ、そういう事ならと、ある方を紹介して頂けました。

その方は八女で代々提灯を製作している会社の社長(当時)をしている伊藤三男さんという方でした。
伊藤さんの会社は伊藤権次郎商店と言いまして、180年以上続く提灯製造会社で
三男さんで6代目という事でした。
伊藤さんに今までの経緯と試作のランプシェードをお見せして、どうにかして商品化したい!
とお伝えした所、「できると思いますよ」とあっさりと言われました。
それから何度か打ち合わせを重ね、提灯を作る為の型を特注したりして
商品化が徐々に進んでいきました。


ジュジュ ランプシェードの大切な要素の1つである和紙。
福岡県八女市は伝統的な手すき和紙の産地でもありました。
私とMさんは八女市の伝統工芸館に行き、様々な種類の和紙に実際の電球を当ててみて
光の透け具合を確かめてみました。

非常に多くの種類がある和紙の中で、光の透け方がイメージに一番合った和紙が
松尾久弘工房様の和紙でした。
幸いにも伊藤さんが松尾さんの事をよくご存じだということですぐにご紹介して頂きまして
松尾さんの工場に直接、和紙を見に伺いました。
今までの経緯を説明し、松尾さんからお勧めの和紙をご紹介頂きまして、
現在使用している和紙に決定することが出来ました。


ジュジュの台座の部分は旋盤という木を丸く削る技術で作られています。
この部分は試作の段階から家具職人の松村さんに協力して頂きました。
松村さんとは長い付き合いですので、こちらの意図を直ぐに汲み取って頂き
イメージ通りの台座が出来上がりました。

提灯部分、台座の部分がそれぞれ出来てきた段階で一つ問題がありました。
それはこの2つの部分を簡単に取り外しができるような仕組みを作ることでした。
色々と試行錯誤を重ねた結果、現在の形に落ち着きました。
この仕組みも含めて、提灯の中で使用する金属製の輪を
福岡県大野城市にあります福創工業様に特注で依頼しました。


松尾さんの和紙と福創工業様で作った金具を伊藤権次郎商店様で組み合わせて提灯を作って頂き
松村さんの台座と既製のコード付きソケットと組み立ててジュジュ ランプシェードが完成します。
Mさんをはじめ、多くの方々のご協力で形にすることが出来ました。
心より感謝申し上げます。
ご購入されたお客様にお気に召して頂けたら幸いです。

P.S. ジュジュは棗(なつめ)の形をモチーフにしていまして
  英語名の「jujube」から名付けました。

ジュジュランプシェードについて_f0271898_14582117.jpg


稲垣 巌


by inagakidesignwork | 2021-07-03 12:32 | Products | Comments(0)