今回のジャカルタ出張の主な目的は
ダルマワンサという老舗高級ホテルの別館に新しく日本料理店がオープンしまして、
そちらの家具の多くを担当しましたので、それらの確認の為でした。
そちらをご紹介する前に、面白いエピソードがありましたので、先ずそれをご紹介致します。
ジャカルタ市中心部にスナヤンと呼ばれる地区がありまして、
10年程前に日系企業が再開発を請け負いました。
その地区にある高級ホテル フェアモントホテル内の日本料理店の照明を
知人のSさんが当時担当したということを聞きまして、見に行くことにしました。
厳重な警備のエントランスを入って、2階にある日本料理店に行きますと
残念ながらその時間帯は食事が出来なかったのですが、店員の方が親切にも中を見せてくれました。
写真撮影が終わり1階のトイレを借りようとした所、
近くに置いてある休憩用のハイバックの椅子が目に留まりました。
一緒に行っていた妻に
「そういえばかなり前にジャカルタのホテル用の椅子などの図面を描くアルバイトをしたんだよ」
と話しました。
それは友人の会社の紹介でホテルに収める椅子などの図面を沢山描いて欲しいという依頼内容でした。
私は元々家具職人だった為に、
イメージ写真やスケッチなどを元にどのような構造で作ったら良いかなどを、
作る立場に立った図面を描くことができます。
自分のデザインを形にする仕事では無いものの、とても良い勉強になると思いお引き受けしました。
家具の種類は60種類以上、修正なども含めると100枚近くの図面を描いたと記憶しています。
フェアモントホテルの1階にあったそのハイバックチェアは何となく親近感というか、
変な表現ですが他人では無いような感じを受けました。
私が好むデザインとは全く異なるその椅子はとても座り心地が良く、なおさら親近感が湧きました。
その不思議な感覚をどうしても拭うことが出来ませんでしたので、
仕事を紹介してくれた友人に直ぐに電話をしました。
「以前、ジャカルタのスナヤン地区のホテルの家具図面を描く仕事をしたと思うんだけど、
なんという名前のホテルだった?」
「フェアモントだよ?」
「、、、今、そのフェアモントホテルにいるんだけど、、、」
「、、、なんでそこにいるの?、、、」
友人に出張の経緯を話したところ、このロビーなどに置いてある椅子やソファが
当時私が作図したまさにその商品ということが分かりました。

ロビーのソファに座って友人に電話を掛けていたのですが、
呼び出し中の時も椅子のアームを触りながら(なんか見たことあるソファだな)と感じていました。
友人の電話の後にホテルの他の場所を見渡すと、
そこかしこに見覚えのある椅子やソファが置いてあります。




もちろん完成した実物を見たのは初めてですが、徹夜をしたりして必死に図面を描いていたので何となく初めて見るという感じにはならなかったのです。
宿泊したわけではありませんので、全ての階の家具を確認は出来ませんでしたが、
偶然にも、以前の仕事の結果を目にすることが出来て本当にうれしかったです。
次回ジャカルタに来るときにはフェアモントホテルにぜひ泊まってみたいと思いました。
稲垣 巌
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-32890697"
hx-vals='{"url":"https:\/\/idwnews.exblog.jp\/32890697\/","__csrf_value":"6cb2e0fc906a8e542af4beb248b9c90c3b6da3a05b0ebbe5b5dc6306c044c8361743db8b96f208697df7f74b80ae03d6c359b9b4207eb8277e04c1ee44dc8b18"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">